第54回ハイキング「伝 古東海道の道筋に沿って 歴史散歩(京急新大津~JR衣笠)」

1.日時:2019年5月26日(日)8:30~15:00 (現地解散)

2.目的地:横須賀市・京急新大津駅~JR衣笠駅

3.スケジュール

京急新逗子駅8時30分集合~新逗子駅8:34発~金沢八景駅・乗り換え・三崎口行き8:45発~新大津駅8:57着、講師・湯田さんと合流

4.参加人数:18名(女5、男13)

5.講師:湯田 明 氏(三浦半島歴史散歩の会)

6.伝 古東海道の道筋に沿って 歴史散歩:約6km弱、徒歩4時間

・京急新大津駅9:00出発―>大津陣屋跡―>天神坂―>岩瀬堰跡―>妙真寺―>神金城址―>宗元寺窯跡・宗元寺跡―>曹源寺・県立横須賀高校裏遺蹟―>公郷庚申塔群―>法塔十字路―>光心寺―>三浦一族将士の墓―>大明寺―>JR衣笠駅(13時頃着)

・JR衣笠駅からバスで横須賀中央へ。昼食は13:30からモアーズ「つきじ植むら」にて、食事後に解散。

7.ひと言歴史旅

(1)新大津駅を出発点とし、案内役の湯田さん作成の「歴史散歩資料」のもと、約4時間の歴史旅が、スタート。

(2)説明によれば、古代の三浦半島には当時の五畿七道の行政区域を通る官道が設けられており、現代では江戸時代の「東海道(旧東海道)」と区別し、「古東海道」と呼ばれているそうで、知らなかったな~。

(3)古東海道の三浦半島での道筋は、鎌倉市(稲村ケ崎から極楽寺坂)から逗子市(披露山の七曲坂)を過ぎ、葉山の上山口・木古庭を経て横須賀の平作・金谷・公郷・大津を通り、走水に通じる道とのこと。

(4)新大津駅は、戦前に海軍の要請を受けて湘南電気鉄道が建設した久里浜線として昭和17年に開業され、平成29年度の平均乗降客は6,900人/日、京急72駅中66位。駅に近接して住居用再開発ビルが建設中。

(5)駅から少し歩けば、134号沿いに幕末に江戸湾防備のために築造された大津陣屋跡が所在するが、当時の面影は殆ど残っていない。その後、陣屋跡に造られた海軍刑務所(戦後は一般刑務所)や海軍練兵場(射的場)も今はなく、木々に囲まれた広大な大津運動公園や住宅地になっており、強い日差しのハイキングにはまさに緑陰。

(6)運動公園から岩瀬堰跡に通じる山間の細い天神坂には、住宅の敷地沿いに地蔵像や庚申塔群が見られ、「鎌倉道」とも「浦賀道」とも言われた古道の面影を偲ばせている。

(7)公郷町に通じる山間の高所では住宅開発が進み、城壁にも似た崖崩れ防止壁とその上に住宅群が連なって、ちょっとした奇景である。道路から階段を上ると室町時代に創建の日蓮宗、妙真寺に着く。入口には江戸中期の寺の財政を賄った共有金に関わる大きな石碑があり、これにより檀家や村の困窮にも役立ったことが伝えられている。また、寺の本尊は釈迦如来像で、市重要文化財の鰐口や梵鐘があり、訪れた際には法要の読経も聴かれた。ここで集合写真を撮り、トイレを拝借し、暫し休憩する。

(8)公郷4丁目の町なかを歩くが、山の斜面崖にあった古墳時代の横穴は既に見られず、鎌倉・室町時代の神金城址も痕跡がないようである。公郷3丁目一帯に大きな敷地を持っていた天平年間に開創された宗元寺については、元弘の乱で建造物は悉く焼失、今ではその痕跡もなく、資料での説明を聴くだけとなった。

(9)県立横須賀高校の裏手にある曹源寺の階段を上ると、本堂、庫裡をはじめ多くの建造物が見られ、国重要文化財の木造十二神将立像が伝わっている。曹源寺は焼失した宗元寺を天正年間に再興したものとも伝えられている。なお、横須賀高校出身の幾人かの参加者は、在校時とは全く違った校舎等を見て、日曜ではあったがチョット覗いてみた。

(10)衣笠栄町裏通りの住宅街には、天明元年と慶応元年に建てられた日蓮上人に関わる2つの石碑があり、古代から交通要衝の交差点であったこの場所は法塔十字路と称されているが、この碑とこれに接した現代建物が何とも不釣り合いに感じた。

(11)衣笠商店街の裏通りの山際に構内を崖崩れ防止壁で囲まれた浄土宗、光心寺があり、古くは横須賀軍港地にあったのが関東大震災後に他の多くの寺同様に移設されたもので、寺内は何か落ち着いた昔ながらの雰囲気が感じられた。

(12)はまゆう会館(公民館)でトイレ休憩を取った後、緩い登りの舞台坂沿いに鎌倉時代の三浦一族に関わりのある風化した五輪塔にお参りしつつ、最後の訪問場所「大明寺」に向かう。

(13)日蓮宗、大明寺は建長年間に創建され、かっては総本山の格式を持つ寺で、道路からは階段を相当数登りそのずっと奥に寺院が見える。残念ながら、参加者の疲労度と昼食処の予約時間から境内入口で資料説明を聴き、集合写真を撮り、昼食の場へと向かった。

(14)ハイキングではいつも気になるのは天候、今回は好天続きでむしろ暑さが心配されたが、最終的には、公園、山間の小道、街中の裏道と緑が多く、全員へばらずに昼食処まで無事到達。先ずは喉を潤し、美味しい食事をいただき、暑さを乗り越え楽しくいろいろ学んだ歴史旅となった。湯田さん、有難うございました。